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「風の歌を聴け」








講談社文庫












<DATA

村上春樹のデビュー作。1979年群像新人賞受賞。芥川賞ノミネート。


その序文、「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

から既に異彩を放っている。軽快なタッチの文章、ほろ苦さが残るストーリー構成。

審査員の吉行淳之介が「新しい文学の到来だ」と絶賛したのは有名(だと思う・・・・・・)。


村上は完全にこの作品が処女作であり、
早稲田大文学部演劇科に通っていたときは、「脚本なんて、いったい何を書けばいいのか分からなかった」

と言っている。というわけで、小説家になるなんて思ってもみなかった。


千駄ヶ谷でピーター・キャットという個人喫茶店を妻と経営していたときの作品である。









神宮球場で、春先にヤクルトの試合を観に行って(村上はヤクルトファンです)

ヒルトンという外国人バッターが見事な放物線を描いて二塁打を放った光景を見て、「そうだ。小説を書こう」と啓示的に思ったらしい。


その”ひらめき”に近いものから村上春樹は半年かけてこの作品を仕上げて、群像新人賞を受賞。30歳のことだった。



この新人賞出身で他に有名な作家は、村上龍で「果てしなく透明に近いブルー」。これは芥川賞受賞作。













<感想



タッチの軽快さは斬新だが、ストーリーの統合性に欠けている。そういう意味では小説的な要素が抜けている。

でも、文体と時代が感じられる作品だったりする。新しい文学の扉を開けるレトリック、古い時代の香りと青春の文学。


受賞当時の編集者だか何だかに、「君の小説はかなり問題があるけど、まあ頑張ってくれ」とか言われたとか(笑)



ちなみに、ディレク・ハートフィールドなる作家は存在しません。フィクションの人物です。

















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