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初めてのフジロック みきさん



注) 高校2年生の女の子です。



小さいころ、父の仕事が休みの日は、イコール“テレビを使えない日”でした。
楽しみに待っていたクレヨンしんちゃんも新喜劇も、父の手によって容赦なく消されてしまいます。
幼かったわたしに反抗する手立てなんてありません。

ブラウン管に映るビートルズやらジミヘンやら、何を喋っているのか少しも理解できない人たち。
そして「これは何年のどこのライブでゲストが誰々で」と、別にきいてもいないのに語り始める父。
ボブ・ディランが後世に与えた影響の話とか、小学生に理解できるわけないですよ…父さん…。

それでも父は「アホらしいアニメを見るよかよっぽどこっちのがお前のためになる」と続けます。
「これも勉強だ」と笑う父の隣で、わたしは静かに殺意を覚えたものでした。

けれど今では、そんなちょっと変わった家庭に生まれたことに感謝しています。
この両親でなければまずoasisに出会えなかっただろうし、
もし出会えたとしても、アルバムとシングルとオフィシャルDVDと武道館公演や
クリップ集などのブートが自分で探すまでもなくすでに棚に並んでいるなんて、
絶対にあり得ないことです。

誕生日プレゼントにoasis特集/インタビューの載っている雑誌の古本を約三十冊貰えたり。
ろくに旅行もしたことのない高校生二人だけで18切符でフジロックに突撃することを許してもらえたり。

わたしは3月24日に初めてoasisのライブを見て、
その翌日にはリアム以外の3人のサインを3枚ずつ手にしていました。
しかもその場で村さんたちに出会い、この数ヵ月間で沢山のおあファンの方々と交流することができました。

ちょっと恵まれすぎなんじゃないかと思ったんです。



親の理解、仲間の存在、金銭的な問題、そして生おあ。
そういった数々の障害を、わたしは決して自力で乗り越えたわけではありません。
ほとんど全て裏技(父)です。

正直言って、わたしは数年後に新作が出るときまで、
変わらずoasisを好きでいられる自信がありませんでした。
「好きなものを好きでい続ける」というのはとてつもなく難しいことです。
こんな温室でぬくぬくとおあおあのえのえ言ってた奴が、
果たしてこれから訪れるであろうおあしす氷河期にたえられるでしょうか?

いや無理でしょ……。

ポール・ウェラーが終わり、「next up」「oasis」の文字を眺めながら、
半ば冷めた気持ちでそう考えていました。
そして時間が経ち、ファッキン〜のイントロが流れた瞬間、わたしは確信しました。

あ、大丈夫ですねこれは。



横殴りの雨で冷えた手足も、地獄の十六時間移動の疲れが残る体も、
一ミクロンでも近くでoasisを見よう、聴こう、感じよう、とただただもがくばかり。
少しでもステージの上に届けばいいと声を張り上げ、
くだらないことでああだこうだと悩んでいた自分を「馬鹿だったなあ」と思い返すことさえせず。

とにかく頭の中はoasisでいっぱいで、oasisのことしかなくて、
これからも好きでいられるかどうかなんて、疑う余地もありませんでした。



今回はベテランさんのお導きで、のえ前三列目という好位置でスタートできました。
一〜四曲目までが終わって、ノエルの前髪を確認する余裕が生まれ(のえる頭研究員としての使命です)、
「よっしゃ!白い!よし!」とテンションがさらに上がってたんですが、
今思い返してみても、何が「よし!」だったのか自分でもよくわかりません。



そして迂濶にもロールウィズイットで両サイドから強かにエルボーを喰らってしまい、
沈んだ体を起こしたときにはいつの間にか六列目まで下がってしまっていたという修行。

それからスライドアウェイで再起動したものの、わっふぉーしてたの自分だけでした…。


その日は朝から「ハーフザ聴けたら死んでもいいです。むしろ死ねます」など、
ハーフザハーフザとしきりに喚いていたのですが、
ベテランさんが「Half The World Away!」と叫ばれたところ、
こんなことってあるんですね、親に病気扱いされるほど聴きまくっていたあのイントロが聴こえてきたのです。

狙いすましたかのようなこのタイミング、まさしくベテランマジック。

もはや神の領域です。

といっても、わたしが事前にセットリストを調べてなかっただけなんですけど。
二等兵ごときが生意気にもお楽しみにしとこうとか思ってたんです。
全く浅はかにも程があります。
しっかり心の準備をしておかないと即死してしまうことはわかりきっていたのに。
というかしてても死ぬのに。

それからは悶死必至の怒涛の追撃でした。

大阪公演とは比べ物にもならない大合唱。
周りで暴れまわる一回りは体の大きい男たち。
降り続ける冷たい雨。これが野外おあですか。
これがふじしすですか。祭りって言うより戦場じゃないですか…?
ちなみに「311位/320人」というのはわたしの体育の成績です。
320というのは、もちろん登校拒否の人たちも含めた数字です。
これはやばい。
実にやばい。
マジで死ぬ。

けど幸せ…。

結局わたしの行き着くところは「oasis最高、大好き!」でした。おあ。